酒の肴は一冊の本。旅の友も一冊の本。活字中毒者の書評と読書感想文。

「自殺予定日」秋吉理香子

 今日から一週間。それが私の“自殺予定日”

 昔友達が死にそうになって「あと一日がんばろう」「もう一日辛抱しよう」と言っているうちに、今ではそいつ私の年収の50倍くらい稼いでいるんですよ。もう会うたびに「はよ死ね!」と言ってますけどね(笑)
 先を見すぎて悲観するのは馬鹿な話であって、人の一生なんて一日一日の繰り返しの蓄積だけなんですから、うんこが堆積していくのと同じでね、まったくたいした意味はありませんから、辛くても一日区切りで頑張って生きていくことです。
 頑張れって言われることこそ辛いと聞きますけども、それは頑張りの意味をはき違えているからであって、なにも受験や仕事を頑張れと言っているのではなく、一日過ぎればよく頑張って生きたということになると思うんですよ。遠い先の目標ではありません、とりあえず今日の日が暮れるまで頑張って生きてみようと言ってるんです。それくらいならなんとか頑張れるでしょ? 人間はいつ死ぬのかわからないのですからね。坂本龍馬の手紙じゃないですが、風呂桶にキ☆タマをぶつけて急に死んだ人もおられるのですからね。
 本作にも書かれていましたが、鬱もひどくなると死ぬことさえできないそうですが、ならば逆に自殺される方はパワーがあるのではないでしょうか。そのパワーの切れ端でも使えば一日一日を耐えていくことも不可能じゃないと思うんですよ。

 あらすじ。
 16歳の渡辺瑠璃は、群馬県の山奥にある旅館をひとりで訪れた。
 自殺の名所とされる森で、首を吊って自殺するためである。
 瑠璃が12歳のときに母が急死し、半年前父も亡くなった。瑠璃は天涯孤独だ。友達もボーイフレンドもいない。
 父はレストランを経営するかたわらメディアにも数多く出演するフードプロデューサーで、母は結婚する前はパティシエだった。そんな環境で一人娘として育った瑠璃は、自然と料理に興味を覚えるようになり、独特の才能を育まれてきた。
 母の夢は、オーベルジュ(宿泊施設つきのレストラン)を家族で経営することだった。
 しかし、そんな夢もはかなく散ってしまった。
 血の繋がらない義理の母との、気が詰まる生活。
 母が亡くなって2年後、父は秘書だったれい子さんと結婚した。
 れい子と瑠璃は母娘になれないままに、父が死んでしまった。
 瑠璃は確信している。父はれい子に殺されたのだと――3億円の生命保険のために・・・
 警察に行っても、父のかかりつけの病院に行っても相手にされなかった。
 ならば遺書を残して、抗議の自死を決行するだけだ。天国で母と父の3人で昔のように楽しく過ごしたい。
 そして瑠璃は森の木に縄をかけて首を吊った。そのとき・・・
 ひとりの少年に邪魔をされた。彼の名は椎名裕章。
 一緒に旅館に行ってびっくりしたことに、瑠璃以外の人間には、彼の姿は見えなかった。
 そう、裕章は幽霊だった。2年前の今日、瑠璃も死のうとした森で首を吊って本当に死んだのだという。
 地縛霊となって不自由を強いられている彼は、ひとまず瑠璃に自殺を思いとどまらせ、父の死の謎を解決する手助けをしてくれるという。悩んだ末、瑠璃は1週間という期限を切り、裕章の手助けのもとに継母が父を殺した動かぬ証拠を発見しようとするのだが・・・

 うーん、ラノベみたい。軽すぎる。フワフワ。
 前はもっといい意味で腹が黒いといいますか気色悪い小説を書いていたように思うんですがねえ、秋吉理香子。
 もう冒頭で結果がわかってしまっていましたからね。
 これで書き下ろしというのだから。私はまたマーガレットか花とゆめにでも連載してたのかと思いましたよ。
 裕章の件は確かに想像できませんでしたが、真相を知ってもかなり無理があると思う。
 人間に間違えるからこそ幽霊なのです。人間を幽霊に間違えることができますかね? あれだけ一緒にいて。
 あと2,3冊かな、それがこの作家の見限り予定日だね。


 
 
 
 
 
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