「世界の辺境案内」蔵前仁一・金子貴一・鎌倉文也ほか

 立入禁止エリアや秘境、廃墟、未承認国家など、様々な理由により一般人がなかなか訪れることのできないアクセス困難なスポットを『辺境』として紹介した本。
 地球上にいまだ残る未踏の領域、知られざる世界のもうひとつの姿。

 本のサイズはB5判です。写真は豊富ですが、文章的中身は残念ながらちょっと薄いかな。
 表紙の写真はいったいなんだろうと思いましたが、マンセル要塞という第二次世界大戦の遺物だそうな。
 コラム的に取り上げられているものを除いて、紹介された“辺境”は全世界70箇所。
 サウジアラビアのイブの墓や北京の中南海、高野山の奥の院など一般人では絶対に行けないところの紹介もありますが、少々ハードルは高くても頑張ったら行けそうなところもあります。テーブルマウンテンとかね、ソマリランドとか。
 できれば場所を絞ってもうちょっとひとつの記事の内容を太くしてもらいたかったかなあ。
 まあでも、秋の夜長の暇つぶしにはもってこいかもしれません。
 写真は豊富だから、見ていて楽しいです。
 70箇所のうち、個人的に気になった場所の紹介をしておきます。

「ボディ・ファーム」
 アメリカ南部テネシー大学の一画にある1ヘクタールほどの立入禁止エリア。ここで何をしているかというと、死体の腐乱の研究。森みたいな場所にそのまま死体が転がっている。研究の成果は刑事事件などの死亡時刻推定に使用される。
「ハンフォード・サイト」
 西半球で最も汚染された、元プルトニウム製造所跡。冷戦の名残として大量の放射性物質が残された。
「北京地下城」
 核戦争の危機が囁かれた中ソ対立。北京の地下に600万人が避難できるシェルターが作られたという。地下8~18メートル、総面積は85平方キロメートルに及ぶ、北京地下の万里の長城。詳細は不明。
「アンダマン諸島」
 インド東部ベンガル湾に浮かぶ大小300の島々。そのなかの北センチネル島には、いまだ石器時代の暮らしをしているセンチネル族が推定で250人暮らしているが、島に近づく舟やヘリを弓矢で攻撃するなど徹底的に外部との交流を拒絶しているため、実態は不明である。漂流してこの島に辿り着いたものはただちに殺されるという。
「アトス山」
 北ギリシャにある時間の止まった場所。東ローマ帝国最後の領土と云われる。1046年以来女人禁制で、EUの是正勧告を無視し続けている、聖なる信仰の山。
「高野山奥の院」
 1.9kmの参道の先にある高野山最深部。限られた高野山関係者以外立入禁止。1200年以来、空海の食事が1日2回運ばれている。
「カラチョイ湖」
 ロシアン西南部ウラル地方にある世界最悪の放射能汚染湖。近づくだけで死ぬと云われる。
「ソマリランド」
 高野秀行の本で知られた、リアル北斗の拳状態の世界一危険な国にある奇跡の平和国家。
「チャダル」
 ヒマラヤの西の果て、真冬のみ現れる幻の道があり、その先に古くからチベット仏教を信仰する人々がひっそりと暮らす土地があるという。幻の道はチャダルと呼ばれ、ザンスカール川が凍りついてできたもの。
「エル・カミニート・デル・レイ」
 ダム建設のため断崖絶壁に作られた世界一危険な小道。高所恐怖症の方は絶対にムリ。
「ケマダ・グランデ島」
 サンパウロ沖の島。1平方メートルに1匹の割合で島固有の猛毒蛇ゴールデンランスヘッドが生息する。
「マクマードドライバレー」
 南極にある地球上で最も寒く最も乾いたエリア。最低気温マイナス68度、最大風速時速89メートルを記録。世界一塩分濃度が濃い不凍湖ドンファン湖もある。
「プリチャチ」
 1986年のチェルノブイリ事故によりゴーストタウンとなったウクライナ北部の街。現在は見学ツアーあり。
「セントラリア」
 ゴミの燃えカスが地下の石炭鉱脈に燃え移り、半世紀近く坑内火災が続いているゴーストタウン。アメリカ政府は住民の退去を強制し、すべてのインフラは停止しているにもかかわらず今も10人ほどの人間が暮らしているとされる。
「イブの墓」
 サウジアラビアのジェッダにあるアダムとイブのイブの墓。長さ120メートル、幅3メートル、高さ6メートルもあったとされ、古くからの文献にも載っているが、宗教的な理由から1928年に破壊された。1975年にはコンクリートで封印され、立入禁止となっている。
「スルツェイ」
 アイスランド沖。1963年に海底火山の噴火でできた地球で一番新しい島。1965年に植物が芽生え始め、1983年にはアザラシが繁殖し、1998年には灌木ができた。動植物の環境研究のため許可を得た研究者しか上陸が許されない。

 他にも、コラムに載っていたブータンにあるヒマラヤの未踏峰が気になりました。形状さえ不明だそうです。
 陸でこれだから、海はもっとえげつないモノがあるだろうね。



 
 
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