「ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由」フォルカー・シュタンツェル

 奇しくもこの本を読もうとしていたまさにその時、ネットニュースで落合信彦が「最近、日本が世界中で愛されているというような本をたくさん見かけるが、残念ながら日本は世界で尊敬されていないというほうが正しい」と言っているのを知りました。
 おっさん生きとったんか、スーパードライでも飲んどけや(笑)
 と思いましたが、落合信彦が言った通りではないにしても、巷のクールジャパンやらメディアの日本ヨイショを見ていると、痛々しいとは思っていました。もうね、お腹いっぱいなんですよ。
 好きな人は日本を好きだし、嫌いな人は嫌いだし、圧倒的に一番多いのは日本のことに関心などない人です。
 日本人も含めて、ね。
 それでいいじゃありませんか、自意識過剰はよくありません。
 
 てなことを考えながら本書を読み始めたのですが、なんとタイトルから受ける感じとは全く違いました。
 手放しで日本を褒めているところなど、ありません。ヨイショ本ではありません。
 あくまでも日本のファンという立場ではありますが、正しい視点から日本のことを見つめていると言ったほうが近い。
 たとえば、著者が日本の若者を見て彼らは豊かではないかもしれないと思った理由を、
 「彼らが生まれたとき、すでに日本の経済は下降線にありました。高度成長期はとっくに終っていて、現代社会は不況にあえいでいます。だから、むしろ将来に不安があり、案じているからこそ豊かさを実感していないのです」
 と書いているのは、なるほどその通りだと思いました。
 本当は豊かなんだけど、豊かさを感じることができない社会なんですよね、この国は。
 
 この方の語る視線は、友の視点です。信じることができると思います。
 東日本大震災の直後、東京のドイツ大使館が一ヶ月間大阪に移転しなくてはならなくなった理由も率直に書かれていると思います。そして駐日ドイツ大使になる前は駐中国ドイツ大使をしていたということも、なにやら?公平感があります。
 著者は前駐日ドイツ大使だったフォルカー・シュタンツェル氏。
 10歳のときから日本に興味を持ち、1972年23歳のとき京都大学に3年間留学。次は1982年駐日ドイツ大使館の政務広報担当として3年間勤務。そして2009年から2013年10月まで4年間、駐日ドイツ大使を務めています。
 都合、計10年間も日本にいたということになります。
 日本語もバリバリうまいし、合気道2段。奥さんは台湾人。温泉が好き。
 大使という身分を隠して、日本語勉強のために島根県にホームスティするなど、茶目っ気たっぷりな方です。
 日本の若者に言いたいことは、自分で判断する力を養えということ。判断力こそ国を幸せにするこにつながるそうです。

 大使のときのブログから1972年に初来日したときの日記、なでしこジャパンのドイツワールドカップ、2011年皇太子殿下24年ぶりのドイツ訪問、東日本大震災と原発事故時の対応など、内容は豊かでした。
 日本人とドイツ人というのは、通じるものがありますからね。
 私が旅をしているときに、一番とっつきやすいのはドイツ人でした。敷居が低かったですね、日本人に対して。
 対してアメリカ人というのは、理解し難いというか、向こうも日本のことなどなんとも思っていない方が多かったような気がします。あんがい野茂やイチローのことをまったく知らない方もたくさんいますからね。
 まあ私は、ここ最近のテクノロジー的に世界で一番優秀だったのはドイツ・ゲルマン民族だと思っていますね。
 車を見たら、日本とドイツの違いがよくでているような気がするなあ。あ、イタリアも(笑)
 両国は同じ敗戦国として、戦争に負け、その結果として自由が保障されたことで文化や経済が発展しました。
 近代に同じような痛みを経験した仲間というのは、イタリアはさておき、日本にとってドイツしかありません。
 そういった視点がなくなったときこそ、日本にとって真の戦後なのかもしれませんが。
 なんだか、ドイツが中国と仲良くしていると、軽く妬きます(´・ω・`)


 
 
 
 
 
 
 
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