「百年文庫 恋」伊藤左千夫・江見水蔭・吉川英治

 百年文庫34作目、テーマは『恋』(≧∇≦)
 栞も、もろにピンクですよ。なぜに、恋にイメージってピンクなんでしょうね?
 しかも昨日はイヴで、今日はクリスマス♪
 ですが、何の用事もない私は、猫の玉子にケーキを買って帰りました
 玉が大好物の生クリームを食べ(また太る)、私が玉の嫌いなスポンジとフルーツをいただきました。
 少し余ったので、玉を毛布にくるんで(重い)、森のダンボールの家に住んでる玉の友達の黒猫のフーコにおすそ分けを持って行きましたが、彼女は留守のよう。デートかなあ??

「隣の嫁」伊藤左千夫(1864~1913)
 この春、中学を終えたばかりで百姓デビューした、19歳の省作。いきなりの稲刈りは骨が折れた。
 百姓は、朝夕忙しく、水門が白むと共に起き、三ツ星の西に傾くまで働く。兄夫婦は丹精で気が抜けない。
 しかし、日々の辛い作業にも楽しみはあった。隣家の嫁のおとよさんと並んで仕事することである。
 省作と同じ19になる彼女は、仕事もできるし何もかも行き届いた女だった。どうして彼女が隣のとろくさい清六なぞに嫁いだのか、おとよさんの里は中農以上で、小作人同然の隣家に来たのは、仲人に欺かれたのだという。
 ある雨の日、屋内作業を皆でしていると、おとよさんは省作に気があるのではないかという話になった。
 思わず赤面してしまった省作は、それ以来おとよさんが気になって仕方がない。
 しかし仮にも隣家の嫁である。道ならぬ恋、ままならぬ世の習い・・・
 しまい方がブラック(;一_一)
 倫理観が性欲に打ち勝つのは大変ですよ、でも、それが出来なければ人間ではありません。
 恋は盲目といいますが、ひとりの人しか見えないとこうなります。純情というのは、罪作りなのですね。


「炭焼の煙」江見水蔭(1869~1934)
 道もろくすっぽない深山幽谷のすり鉢状の底に平地があり、炭焼職人の真次がひとり小屋で住んでいる。
 友達は飼っている猿だけ。決まった頃になると里まで炭を運ぶ作爺がたまに顔を見せる程度である。
 炭に燻りたる顔、泥に塗れたる手、垢に光ってる衣服。真次は酒も呑まなければ煙草もやらない。半ば仙人である。
 春になったある日、作爺がやって来た。明日、山主の藤原の旦那とおかみ様とお嬢様、村の衆がここに花見にやってくるというのだ。こんな辺境までよくぞまあ、と迷惑な気持ちしかなかった真次だったが、花見の当日、足に豆を作って歩けなくなったお嬢様をおんぶすることになり、知らないうちに恋心が芽生えてしまう。
 及ばぬ恋。それからの真次は寝苦しい夜を過ごし、太古の暮らしのなかで空想を膨らませ、その心のなかで恋は大きく発達していく、そして・・・
 うん、傑作です。今までの百年文庫の作品のうちでもピカ一。これぞ恋。素晴らしいです。恋の相手というのは、実は自分の心の内にいます。現実に戻ると、パーンと裂けちゃうんですね。

「春の雁」吉川英治(1892~1962)
 反物や装身具など長崎骨董を扱う商人の清吉は、3年のうち2年までは旅暮らしで、関西から江戸の得意先を回り、あらかた金にすると、春の雁のように遥々長崎の故郷まで帰るという生活を続けている。
 清吉の得意先は、花柳界である。そして今、彼は深川の色街に逗留していた。ここには、大坂や島原とは違う、独特の気風があった。それは客も妓も、茶屋や船頭にいたるまで粋を研くという、遊びの通人つまり悟りの世界であった。
 深川で清吉は、秀八という23,4の少しやつれのあるところが魅惑的な芸妓に惹かれてしまう。
 秀八は、流行っていた芸妓だったが、急に客が落ちたという。馴染みの茶屋の若おかみには、あの女には注意しろと言われた清吉だったが、場末の茶屋で秀八と逢瀬を重ね、請われるままに百五十両もの大金を渡してしまう。
 清吉が極めつけの粋人ぶって渡した大金の行方、そして謎の女・秀八にまつわる真相はどのようなものなのか。
少しミステリー仕立てだったでしょうか。
 一見、粋でカッコイイ深川の色街も一皮めくれば・・・誰の人生にも生活という現実があるということです。
 表面しか見ていない、見れないから人間というのは恋をしてしまうのかもしれませんね。
 でもこの物語の一番のオチは、清吉おまえ妻と子供がいたのかよ! ということ。



 
 
 
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