「セブン」乾くるみ

 カバーイラストもシンプルに“7”のみ。
 奇想のミステリー作家乾くるみが贈る、“7”にちなんだ7つの物語で構成された短編ミステリー集。
 ファンタジックなものから、パズル、準クローズド・サークル、サイコなどもアリ。
 飛び抜けて面白いものもありませんが、すべてが平均以上だと思います。乾くるみらしい、と云えるかと。
 デスゲームのパズルミステリーが2篇あるのですが、これは好きな人にはたまらないかもね。
 私は頭が悪いのでこんがらがって大変だしたが、こういうのでもこの作家の実力がわかります。
 テレビドラマのライアーゲーム思い出しましたよ。
 誰だっけあのヒロイン? 名前忘れた(´・ω・`) 
 また年末年始にまとめてやらないかなあ。

「ラッキーセブン」
 私立の女子高の生徒会室で、7人の生徒会役員が参加して、いきなり始まったトランプゲーム。
 それは、悪魔が舞台を用意したデスゲームだった! 負ければ首を刎ねられて死ぬのである。
 7人がAから7までのカードを引き数の大小で対戦する。Aから7の順に強いが、しかしAは7だけには負ける。
 そして対戦する前に、相手の持っているカードを当てれば、カードの大小に関係なく勝利できるというオプションがあった。もちろん、あいこになれば、カード勝負である。壮絶な推理、駆け引き合戦に勝ち抜き、生き残るのは誰か・・・

「小諸ー新鶴343キロの殺意」
 殺人事件発生の一報が長野県警に入った。場所は、新興別荘地として注目されつつある小諸市内のロッジ。
 警察が踏み込むと、室内には6人の人間が、それぞれ異なる方法で殺害されていた。
 調べたところ、被害者の6人は「日本トーラの会」という、第2のオウムと騒がれた宗教団体の幹部たちだった。
 目撃者によると、男が女性を担いでクルマで去ったという。はたして、教祖の行方は?

「TLP49」
 TLP=タイムリープパズル。生命の危機に見舞われたとき、主人公はその直前から49分後の未来へタイムリープする。ただしその49分間は、7分✕7回、つまり7分のブロックが時系列に沿わずランダムに並べられる。
 そして、49年間の人生で都合5回目のタイムリープが起こった。記憶では、自宅の書斎で書き物をしていたはずだが、気づいたときには原生林の山の斜面を駆け下りていたのである!
 記憶では書斎にいたときは15時14分だった。今の時間は15時49分。6ブロック目である。
 今まで何があったのか、これから何が起こるのか? そして私は何から逃げているのか・・・

「一男去って・・・」
 中学の卒業証書を持って春雄が帰宅すると、事件が起きていた。末弟の喜雄が死んでいたのだ。どうやら3月になると精神的におかしくなる母の仕業らしい。憑き物が落ちたように泣き叫ぶ母の横で、春雄は秘策を練る。家出をした父親は行方不明で、春雄を筆頭に7人兄弟は、いま母を失うわけにはいかない。そこで、喜雄の死体を始末した一家は遠くに引っ越し、中学を卒業したばかりの春雄を引きこもりということにして、残った6人の兄弟を1人ずつ繰り下げる(たとえば春雄は4月から次男に成り代わってもう一度中学に通う)ことにしたのだが・・・

「殺人テレパス七対子」
 GOLAC TV(エンタメーテレみたいなの)が使用していたスタジオで、殺人事件が起こった。
 2つの隣り合ったスタジオを使用して、7組14人の双子の姉妹によるテレパシー実験を収録していた途中に、ひとつのスタジオに拳銃を持った黒ずくめの男が乱入、ひとりのADを撃ち殺して逃走したのである。
 廊下のモニターで一部始終を見ていた人気の女流雀士・月見里亜弓が、事件の謎を解く。

「木曜の女」
 一部上場企業の社員である26歳の竹脇元司は、生来の性欲が人並み以上に強く、月曜から日曜まで7人の異なる女性とセックスをしている。7人は、それぞれに個性も性的な嗜好も違う。Sもいればコスプレもいるし露出狂もいる。
 そして驚くなかれ、日曜日の相手は元司の正妻の陽香であった。つまり、妻公認の浮気なのである。
 ただし、7人の中で木曜日の相手である美樹だけは、少し面倒を引き起こしそうな予感がしていた・・・

「ユニーク・ゲーム」
 ゲリラに撃墜された、多国籍軍の偵察機。7人の搭乗員がいたが、4人はパラシュートで脱出し、パイロット含む後の3人も不時着に成功して助かった。しかし、3人と4人に分かれてゲリラに捕らわれてしまう。
 7人の中には、エドガー少尉という現国王の孫という王族の重要人物がいた。そのことをゲリラに知られれば大変なことになるだろうという思いと、彼をなんとしてでも助けねばという気持ちが小隊長ケリー中尉以下の6人にはあった。
 ゲリラの将軍は、ユニーク・ゲームというデスゲームを行い、クリアすれば7人全員助けるという。
 これは3人と4人のグループが、それぞれ0から7までの8つの数字を同時に名乗り、無事重ならければ釈放される。重なれば、その2人は殺される。ただし重なったその数字が、セーフだった人数と同じであれば褒美として釈放される。つまり、5と5を言い合った2人はアウトだが、あとの5人が違った数字を名乗ってセーフだったなら、5を言った2人も褒美で釈放となる。3人と4人のグループはそれぞれ3人と4人の中だけでは話し合えるが、違うグループとの意思疎通は一切できない。こっちを偶数でまとめると、あいつらは奇数にしてくれるだろうか? それとも、このゲームには絶対的な抜け道があるのか。あったのである。みんな助かる奇跡的な組み合わせが存在したのだ・・・

 私的に一番面白かったのは、やはり「TLP49」。
 乾くるみらしい、ファンタジックミステリーでした。珍しく、ハッピーエンドでしたしね。
 パズルの2つ、「ラッキーセブン」と「ユニーク・ゲーム」もそれなりに頭使って面白かったですが、「ラッキーセブン」は最後がちょっとゆるいかなあと。もうひとつあってもよかったんじゃないですか。「ユニーク・ゲーム」は逆にラストが締まりすぎたんじゃないかと思います。ブラックすぎますよ・・・
 あ、思い出した、ライアーゲームは戸田恵梨香か(*^_^*)


 
 
 
 
 
 
 
 
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