「ネット護身術入門」守屋英一

 今の時代は武道や格闘技を習うよりも、“ネット護身術”のほうが大事かなと思いますね。
 知らぬ間にクレカの番号がバレたり、ネットバンクから不正送金されてたりしたら目も当てられないでしょ。
 そんなのわしには関係ないって、けっして他人事ではないのですね。
 ウイルスによって利用者のコンピュータからネットバンクのパスワードを盗み、口座に不正アクセスして金を奪う「ネット版振り込め詐欺」は、2013年に1315件発生し、被害総額は14億円とも云われています。
 そして、今朝のBSニュースかなんかで観たんですが、今年はもっと増えているそうです。
 次の被害者は私かもしれませんし、あなたかもしれません。

 著者は政府機関や企業でセキュリティの専門家として、15年間サイバー攻撃の監視をしていたという守屋英一氏。
 自ら健康保険証を悪用され、勝手に多重債務者にされたために信用情報のブラックリスに載り、トクレジットカードが一枚も作れないという、セキュリティの専門家としては非常に間が抜けているのか、あるいは身を持って個人情報漏洩の恐ろしさを経験したゆえに信用が置けるのか、まあ、いい方に取れば、いわゆる弘法も筆の誤りでしょうかね。
 でもね、全体を通じて、危険な目に遭いたくないならインターネットを止めなさい、と言ってるように感じられるのはどうかと。
 今更、やめられるわけないでしょ、原始人じゃないんだから。
 問題は、ネットのメリットを享受しながら、かつ、できるだけ障害を受けないようにするにはどうしたらいいのか、ということです。これがタイトル通りの「ネット護身術」ですよね。
 しかし著者の具体的な提言はせいぜい「限度額の低いクレカをネット用に一枚用意しなさい」ということくらいで、後はウェブサイトでのIDやパスワードの使い回しをやめましょうとか、さも当たり前の手段しか書かれていません。
 裏を返せばこれは、ネットをするかぎり詐欺に遭うのは避けられない、ということかもしれませんが。
 ネットバンクやクレカだけではなく、最近はポイント・マイレージの不正利用も増えているそうです。
 それもそのはず、ポイント・マイレージの発行額はなんと、1兆円を超える市場なんですって! ビックリ(゚д゚)
 アマゾンのギフト券とかTカードのポイントとか色々ありますからねえ。
 まあ、いずれ被害に遭うもんだと用心して、まめにネットバンクやクレカの利用明細を確認することでしょうな。
 いくら対策ソフトを入れても、ウイルス感染の可能性をゼロにすることは出来ませんからね。
 国内の15万台ものコンピュータが、不正送金のウイルスに感染していると云われています。

 本書のネット護身術の対象は、お金だけではありません。
 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に対する利用方法と警告についても書かれています。
 実名SNS・フェイスブックの利用者は2013年末で全世界12.3億人、クローズSNS・LINEの利用者は4億人。
 今や手紙、電話、電子メールに続く第4のコミュニケーション手段として人類に定着しました。
 私は根が寂しがり屋ながら人間嫌いにできてるため、友人は極めて少なく、たまに誘われて遊ぶ約束をしても、平均でその実行が2~3年かかるために、まったく相手にされていません。
 ですからガラケー、スマホ、タブレット、PC、固定電話、FAX、糸電話など持っていますが、滅多に鳴りません。
 ゆえにLINEやツイッターなんかにも縁はありませんが、既読スルーの問題など、たまに話を聞いてる感じでは、誰もがSNSに向いているわけではないと思うんですね。
 すぐカッとなる人や、対人関係に神経質になる人は、やめておいたほうがいいと思います。
 もちろん学校の世界や連絡網なんかで、やめるわけにはいかないというのも理解はできるんですがね。
 その場合はクラスで使い方を厳密に決めたりとか、利用者の負担にならないようにしなければならないでしょう。
 
 個人情報の漏洩については、もう今更という気がします。
 つい最近もベネッセがやらかしていましたし、企業としては情けないかぎりですが、私たちの個人情報などもうすでに漏れまくっているんではないでしょうか。裸の写真が流出してない、というだけのような気もします。
 企業はポイントを利用して購買履歴を収集していますし、ケータイのGPSは位置情報を収集し、街中の防犯カメラには日常的に私たちの姿が録画されています。
 また、CIA元職員のスノーデン氏の暴露によれば、通信管理システムによって電子情報が国家によって収集されているそうです。集められた情報が国家によって適切に運用されればいいですがね。
 いずれにしても、現代の膨大な電子社会においては、私たちはすでに何らかの数値化にされているのではないか、ということです。これが量子コンピュータなどの登場によって情報処理能力が格段にアップすれば問題になるかもしれませんが、地球上のごく一部の大金持ちや有名人、危険人物以外のその他大勢にとって、どれほどの問題があるでしょうか。
 むしろ、ひょっとすると証拠の多様化は、犯罪早期解決以外に冤罪などの誤認逮捕を防ぐことになるかもしれませんよ。
 クレカやネットバンクでお金を不正に奪われるのは大問題ですが、個人情報などは、各自が胸を張って正々堂々と生きていれば、何の問題もないと私は思います。ネットが存在するより昔からあったことですから。



 
 
 
 
 
 
 
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