「チーム・バチスタの栄光」海堂尊

いまさら、読みました
映画になって、テレビドラマになって。
私は映画のほうは観ていないんですが、テレビのほうはたまに観ておりました。
かなりストーリーが変わっていたような気がします。
さきに映像を観ていることの悪影響として、どうしても登場人物が頭の中で俳優になってしまうのですね。
ただし、白鳥圭輔だけはテレビの仲村トオルへの誤変換は避けられました。
原作では、むしろコメディー俳優の田口浩正ズバリのような印象を受けました。

さて、作者の海堂尊(かいどうたける)ですが、現役の医師です。今はどうだか知りませんが。
医師免許を持っている小説家として、私がパッと思いつくのは、渡辺淳一、帚木 蓬生でしょうか。
渡辺淳一はデビュー作が衝撃的な心臓移植の物語であり、確か私の記憶ではその小説をひっさげて北海道から出てくると同時に医者であることを辞めたような気がします。専業作家になってからも、あまり医療小説の分野の作品に出会ったような記憶はないですね。もちろん、医師ならではの怜悧な人間の捉え方でたくさんの傑作を生みだしているのですが。
帚木 蓬生(ははきぎほうせい)は確か、精神科医だったかなあ、あるいは脳外科だったかもしれない。
この人は「逃亡」「ヒトラーの防具」といった冒険小説が傑作として知られ、医療を扱った作品も多いのですが、どちらかというと、医師というより「小説家」であり、知識人ですね。
で、海堂尊さんは、医師であることを最大限活かしたバリバリの医療ミステリー作家です。
書けないでしょうねー、こんな物語は現役医師じゃなければ。
特に最近は技術の進展が凄まじく、現役で活動してる方じゃなければハード面が理解できないでしょう。
白い巨塔の世界なら、医学もアナログマニュアル的であったのでしょうけど・・・
不定愁訴外来なんて単語自体出てきそうにないです。

物語の本筋は、バチスタという難度の高い心臓手術を専門に扱うチームに術式中の死亡が相次ぎ、
病院長の依頼を受けた不定愁訴外来(愚痴外来)の担当医であり神経内科学教室講師の田口公平と、
厚生労働大臣官房付技官の白鳥圭輔のコンビが、事件の謎を追うというわかりやすいミステリーです。
とにかく、専門的な分野の物語なので作者のうしろからしっかりとはぐれないように付いていくしかないです。
ただし、文章は軽快でとても読みやすいです。
医療探偵、という新しいジャンルでしょうね。

関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
カテゴリ
ミステリー (94)
ミステリー短編集 (17)
歴史ロマン・ミステリー (17)
冒険ロマン・ミステリー (15)
サイコホラー・ミステリー (15)
学園ホラー・ミステリー (14)
民俗ホラー・ミステリー (10)
政経・金融ミステリー (18)
ファンタジックミステリー (22)
近代・昭和ミステリー (14)
オカルティックミステリー (7)
青春・恋愛ミステリー (21)
医療小説・ミステリー (22)
伝奇小説・ミステリー (15)
時代人情小説・ミステリー (18)
時代冒険小説・ミステリー (19)
社会小説・ミステリー (15)
スポーツ小説・ミステリー (10)
アーティスティックミステリー (12)
海外ミステリー (28)
海外冒険小説・スリラー (17)
SF・FT・ホラー (27)
SF・FT・ホラー短編集 (14)
海外SF・FT・ホラー (18)
クライシス・パニックサスペンス (12)
警察・諜報サスペンス (31)
悪漢・犯罪サスペンス (30)
中間小説 (24)
青春・恋愛小説 (33)
家族小説・ヒューマンドラマ (31)
背徳小説・情痴文学 (14)
戦記小説・戦争文学 (19)
政経・金融小説 (14)
歴史・伝記小説 (23)
芥川賞受賞作 (19)
直木賞受賞作 (20)
文学文芸・私小説 (24)
海外小説・文学 (13)
文学アンソロジー (55)
歴史・伝記 (30)
戦史・戦記 (31)
海軍戦史・戦記 (153)
物理・宇宙 (26)
生命・生物 (38)
アンダーグラウンド (47)
事件・事故 (40)
世界情勢・国際関係 (25)
スポーツ・武術 (24)
探検・旅行記 (25)
随筆・エッセイ (30)
月別アーカイブ
プロフィール

焼酎太郎

Author:焼酎太郎
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
最新トラックバック
リンク
QRコード
QR
RSSリンクの表示