「発光地帯」川上未映子

よくわかりません、この人は(笑)

読売新聞のウェブサイト「ヨリモ」に2009年3月から2010年2月まで連載されたエッセイです。
驚くべきことは、この連載は「食に関するエッセイ」としてスタートしたらしいことです。
筆者は、ほぼスパゲッティと、ウインナーと卵焼きしか食べておりません。
あまり食に対するこだわりとかないんでしょうね、そしてスーパーとかで食材を買い込んで料理をするという習慣がはじめからないんだと思います。
出来ないか、というとそんなことはない、この人はそこまで不器用な人間ではありません、買い物や料理がめんどくさいのです。だからついつい冷蔵庫にあるもので間に合わせてしまうのでしょうね。
なぜなら、小説を書く、という仕事に苦しんでいるからです。
そこに自分の活力の99パーセントを吸い取られているといってもいい。
詩集「先端で さすは さされるわ そらええわ」で賞をとったように、この人の専門は「詩」でしょう。
長い物は得意ではないはずです。短距離ランナーがマラソン走ってるみたいなもんですよ。
本著を読んでても、雨とか曇りとかやたら天気が悪いことが多いのは、小説を書く、何かを表現するということに囚われて逃げれなくなって苦しいんじゃないでしょうか。
一日最低でも9時間は眠りたい、私は睡眠家である、という表現がありますが、これも寝ていれば創作の苦しみから解放されるからでしょうね。
ずいぶんネガティブな推測ですが、その気持ちはわかります。
結婚したことは、たぶんこの人にとって救済であり、不可欠なものであったと思います。

「14歳のときに曲線を走るバスから顔を出して、町は白くて、ああもうぜんぶのことに感想を持つのをやめればいいのだつまり生きる生きられる生きてゆくための方法はたったそれだけなのだと気づいたときに、これはとんでもない発見だと思って思って安心して、そのまま殴られたように眠ったことを思いだす。なんて静かなんだろう、なんて静かなんだろうと、眠りながらとても思って」
すげえな、と思ったのは、ここだけです。
あと、やっぱり大阪弁が似合うと思いましたよ。



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粋な提案 - 2013年07月23日 18:10

「発光地帯」川上未映子

誰にも見せない日記のように、誰かに語りかけている。芥川賞作家が日常から零れ落ちる言葉たちを拾いあつめた、自由律で不定型、新しいかたちのエッセイ集。 読売新聞のウェブサイ

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