「武道から武術へ」甲野善紀

表紙の写真見るかぎり甲野さん痩せたんじゃないですかね。もう62歳ですか。
だいぶ前にテレビで観たのは、ゴルフのスイングで胸を支点にして上半身で一回転してドライバー振ってました(笑)
書かれたものを読むのは初めてです。
そしてその人物の履歴などを知らなかったので、大学時代の思考とか武道を始めるきっかけとか、そういうものが本書には書かれていたので、だいぶ親近感もわきましたし、その術理も最新のものが垣間見ることができて読んだ価値があったと思っています。
武道に関しての身体運動理論は、南郷継正とか伊藤昇、高岡英夫等著作読んだことがありますが、現時点の状況では甲野善紀が一番ホットなのかな。表現しようとしていることは優しいですね。理解は難しいですが。
ぜひ木刀を傍らにおいて運動しやすい格好で読むべきだと思います。

私は剣術は興味ありません。ですが、刀の柄(つか)を握るとき、右手と左手の間隔を空けることは知っています。
甲野さんは2008年5月31日、刀の柄の持ち方が左右の手を空けてもつ持ち方から左右の手を寄せてもつ持ち方に変わったことを劇的に書いています。
そして、元々は日本刀というのものは左右の手を寄せて持つものだったのに、明治時代の欧化主義により、日本人の姿勢が変化し、姿勢よく胸を出すと窮屈なので、柄を握る手が離れたのではないかというのです。
そして、それに気付いてから、なぜ日本刀が直刀から反りのある湾刀になり、両刃から片刃になったのか、片手で扱っていたものが両手で扱うようになったのか、明瞭にわかってきたらしいのです。
甲野さんの境地では、日本刀の真剣は、全身で持つという感覚により竹刀よりスピードが出て、操作性がはるかに増したらしいです。小手先ではなく、全身で扱うということなんだと思います。
これは私でもわかります。たとえば坂本龍馬暗殺事件で、現場の天井が低いから犯人は小刀使いであったなんていう説をよく聞きますが、素人はなはだしいと思うんです。頭くらいの高さがあれば、剣術遣いなら全身使って大刀で頭叩き斬れますよ。
お話は、剣術、柔術、居合と続くのですが、どれもわかりやすいですし、写真も使われています。
「虎拉ぎ」なんかは面白いんじゃないですか。護身術で相手に手首を掴まれた場合、手の指を伸ばし張って守法を作るのですが、その発展形です。アキレス腱固めや下半身へのタックルなど足への攻撃にも有効みたいです。不思議ですけどね。
そして、耳に痛かったし、ある意味当然だと思ったのは、意味のない反復練習。下手なレベルで固定され、質的向上なしの基本練習でどれだけの武道家やスポーツ選手が時間を無駄にしていることでしょう。
全体を見渡して真理をつかむ、ということが重要なんですよね。とはいえ、天才は一握りしかいません。
ですから、私のような凡才は、本書に書かれているような「いかに相手が対応しにくいように間合いを詰めるか」ということを念頭においておけばいいわけです。ただたんに突いたり蹴ったりの回数ではなく。
居つかずに体全体で浮くように運動する、この相手に初動を見破られずに攻撃するのは、非常に難しいですね。
甲野さん、物理学にも造詣が深いようなので思ったのですが、重力がだいぶ関係しているのでしょうか。
ぜひ、無重力空間で技をかけてもらいたいと思うんですね、どうなるのか見ものです。

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