「去就 隠蔽捜査6」今野敏

 所轄署の署長に左遷されたキャリア警察官の活躍を描く人気シリーズの第6弾。
 実は間に短編集が2作あるので、厳密に言えば単行本としては8冊目になります。
 過去の内容は、申し訳ないのですが私、ほとんど忘れています。
 面白かったことは覚えていますよ。最初の方なんて、本を肴に焼酎ひと瓶空きましたからね。
 覚えているのは、主要な登場人物と物語の背景だけです。
 でも十分、楽しく読めますし、過去作を読んだという経験さえあれば、すっと入れると思います。
 それほど、主人公の竜崎伸也の周辺の環境は変わってないですね、たぶん。
 ただ、本作に影響があるところで、竜崎が署長を務める大森署を含む9つの所轄署を統括する第2方面本部ですね、ここの本部長が変わりました。野間崎管理官の上司です。長谷川というキャリアの本部長から、ノンキャリアの刑事・公安畑で実績を積んだ弓削篤郎という警視正に変わりました。この方、野心のある危険な人間です。
 長谷川本部長は一度だけ登場したような気がするなあ。野間さんはいつも出てる(笑)
 とにかく、アクの強い弓削本部長と我らが竜崎伸也の確執といいますか、争いが本作の読みどころです。

 簡単にあらすじ。
 大森署管内で、他殺体が発見された。
 状況から見ると、容疑者の男性はストーカー行為の末に、ストーカー対象者である女性の交際相手を殺害、さらにその対象者を略取・誘拐したと見られる。
 折も折、警察庁の指導により、続発するストーカーによる殺傷事件を重く見て、ストーカーに対する対策セクションを、大森署でも起ち上げたところだった。
 竜崎肝いりで立ち上がったそのストーカー対策チームには、型破りだが優秀な刑事である戸高、そしてシリーズ初登場となる生活安全課の熱心な少年係女性警察官・根岸紅美も含まれていた。
 早速、彼らは大森署に指揮本部が据えられたこのストーカー殺人誘拐事件に着手する。
 しかし、この事件は一筋縄ではいかずに、妙な動きを見せる。
 まず、指揮本部を緊張させたのは、容疑者と思われる男性が、父親の猟銃を盗み持っていると見られるところ。
 これには、竜崎の幼馴染である伊丹刑事部長の判断で、SIT(特殊犯捜査係)が投入された。
 さらに、容疑者と被害者である女性を乗せた車は、神奈川方面に逃げたと思いきや、都内の事件現場に舞い戻っていたことが明らかになった。
 犯人は猟銃を持って被害者を人質に立て籠もる腹である。
 これに対していつのまにか呼んでもいないのに指揮本部に現れた弓削方面本部長は、警備指揮権に基づき、機動隊を出動させる。しかし、機動隊の運用法を巡って、竜崎と弓削は対立し、事件解決後にその波紋は竜崎への特別監察という形を伴って噴出する。

 うん、面白いのは間違いない。警察モノでは、私、これが1,2番目というくらい好きです。
 でも、悪い意味で安定してしまったというか、初期の頃の初々しい高揚感はありません。
 1と2の頃なんて、読みながら時を忘れて酒ひと瓶飲んであと3時間で仕事かよどないやねん、てありましたが、今はない。
 せいぜい、3合の肴くらいかな。それでも、上の上ですけどねえ。
 かくなる上は、ラストの方で匂わされましたが、竜崎の新天地への異動かな。
 これが残された刺激策か。でも、一歩間違うと、毒薬にもなるでしょうな。
 私は、大阪とか地方への転勤もありかなと思う。面白くなるでしょう。ヤクザ関連はネタになる。
 でも、この作家の作品の中の大阪弁というのが、あまり記憶にないのですねえ。
 さあ、どうするのかなあ・・・今のままでは、ジリ貧になっていくような気もします。



 
 
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この記事へのコメント

- ひだまりさん。 - 2016年10月24日 23:45:46

お疲れさまです(*^^)
やはり竜崎さんのキャラ、とても良いですよね!
私も大好きです☆
今さらですが、『去就』を読んで戸高さんも良いキャラだなと思ったのを思い出しました。

お酒強いんですね。
とても寒くなったので、私の読書のお供は紅茶になりました。
お酒も温まりそうですね(*^^*)

Re - 焼酎太郎 - 2016年10月25日 20:48:40

ひだまり様 お疲れ様でございます。

紅茶よろしいですなあ。
ブランデーを小さじ一杯5CCくらいたらせば最強の読書の供です。
コツは息を止めて飲むことです。
息と一緒に飲めば、鼻から全部出てきます ●●=3
あんがいお酒が苦手な方は息と一緒に飲んでいる方が多いです。

札幌は盛り上がっているでしょう。
野球もあれだしコンサはJ1(こっちはマジでうらやましい)だし。

いいですねえ、私なんて本読むか酒飲む以外にやることないですから\(^o^)/

コメントありがとうございます☆

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