第二級活字中毒者の遊読記

酒の肴は一冊の本。旅の友も一冊の本。活字中毒者の書評と読書感想文。

Archive: 2017年01月  2/3

「黒潮の夏 最後の震洋特攻」林えいだい

 終戦の翌日である昭和20年8月16日、太平洋を望む高知県土佐湾で奇怪な事件が起きた。 午後7時、「敵機動部隊が土佐湾を北上中、これを撃滅せよ」との命令を受けた、体当たり特攻モーターボートで構成される第128震洋隊(5号艇25隻)が、出撃準備中、一艇が火災を起こして艇首の250キログラムの炸薬が爆発、他の艇に次々と誘爆、周辺民家を巻き込む大爆発が発生したのだ。 付近住民の証言によると、数百メートル...

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「タイムマシンでは、行けない明日」畑野智美

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 魚住さんは、未来や過去を変えたら駄目だと言っていた。 けれど、僕は過去を変えたい。 過去を変えたら現在や未来も変わるということは分かっているが、それで僕がいなくなるわけじゃない。 他の誰かの未来がどうなってもいい。 僕は、長谷川さんの生きている未来が欲しい。 時空物SF青春ミステリー。 面白いです。レベル高いです。 初めて読む作家でしたが、これからも読んでみたくなりました。 少年時代に好きな人を事...

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「米中戦争 そのとき日本は」渡部悦和

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 この本を読んで「日本が戦争に巻き込まれる? そんなもん起こるわけない」と言い切れる人がいるんでしょうかね。 それでも左翼のオバハンは念仏のように平和平和と唱えていたら、絶対に戦争は起こらないとおっしゃりますか。 もはや、どこかの国のスパイだね。 頭がよほど空っぽか中国から金もらってるんじゃないの。 東日本大震災で日本が未曾有の危機に陥っているとき、災害対応で大変な自衛隊の警備レベルを確かめるため...

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「黒警」月村了衛

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 先日間違って読んだ「黒涙」の前作。 黒社会の中国人と義兄弟の契りをかわしたうだつの上がらぬ警視庁の刑事が、外国犯罪組織と癒着した警察幹部を罠にはめるエンタメサスペンス。読み味は軽め。 「黒涙」が面白かったので、読んでみました。順番は逆ですが。 やっぱりあれだね、順番は間違っちゃいけないなあ。 結局、「黒涙」には本作のちょっとしたネタバレといいますか、時系列的に過去が含まれているわけで、まあ「未来...

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「重力波とはなにか」安東正樹

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 2016年2月11日にLIGO(重力波望遠鏡プロジェクト)が史上初めて重力波の観測に成功したと発表しました。 具体的には、2015年9月14日に、地球から約13億光年離れた場所で起こった、太陽の36倍の質量を持つブラックホールと、太陽の29倍の質量を持つブラックホールからなるブラックホール連星が合体し、太陽の62倍の質量を持つひとつのブラックホールが生まれる際に放出された重力波をキャッチしたのです。...

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