第二級活字中毒者の遊読記

酒の肴は一冊の本。旅の友も一冊の本。活字中毒者の書評と読書感想文。

Archive: 2016年08月  2/4

「青春天山雷撃隊」肥田真幸

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 「我らは、特攻隊にあらず!」 夜間雷撃専門部隊として終戦まで戦い続けた、ヒゲの青年雷撃隊隊長の貴重な青春戦記。  著者の肥田真幸さんは、鹿児島県出身、海兵67期。 同期には、ラバウルのリヒトホーフェン笹井醇一中尉など。豊田穣や鴛淵孝の一期上になります。 この方、飛行学生卒業は戦前のことですが、ずっと内地で教員配置に就いており、やっと実戦配置となったのは、昭和18年7月でした。なんとも遅いですね。...

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「硝子の太陽 Rouge」誉田哲也

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 人気シリーズのコラボ二冊同時刊行の一冊。こちらは、姫川玲子視点の「Rouge(ルージュ)」。 もう片方は、ジウサーガのキャラたちによる「硝子の太陽 Noir(ノアール)」。 同じ時系列で動いていますが、ある人物の死をきっかけに、違ったふたつの事件が大きく動き出し、「ノアール」と「ルージュ」はそれぞれ違った事件を追いかけています。たまに接点があって、まったく同じ描写で主観が違う(例えば東と姫川の対談)だけ...

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「硝子の太陽 Noir」誉田哲也

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 誉田哲也の大人気シリーズのコラボ作品、同時刊行のうちの一冊です。 Noir(ノアール)。もう片方はRouge(ルージュ)。 云わずとも、ノアールの視点が歌舞伎町セブン・東弘樹で、ルージュが姫川玲子グループだとわかりましたが、さて、どちらから読むかとなると、少し悩みましたね。まったく同日の刊行ですから、順番はありません。 結局、つい最近までこれを楽しみに読み継いできたジウサーガの流れのまま、ノアールから読...

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「歌舞伎町ダムド」誉田哲也

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 「歌舞伎町セブン」の続編で、いわゆるジウ・サーガとの繋がりが密接になる作品です。 前作からのセブンのメンバーはそのままに、チョイ役だった東がストーリーの中心的人物になります。 久しぶりに、門倉美咲の登場もありました。彼女もはや34歳です。戸塚署の生安。 ということは、東弘樹は52歳ですか。いぶし銀ですな。 本作でも、その首に懸賞金をかけられ、歌舞伎町の殺し屋に命を狙われ続けますが、見事にかわして...

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「歌舞伎町セブン」誉田哲也

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 歌舞伎町というのはつくづく不思議な街だと思う。 単なる仕事場と割り切れる場所ではない。でも決して、遊び半分というわけでもない。 働く場だという意識はちゃんとある。いうなれば生活圏か。生きるための場所。 これ以上ないというくらい眺めは都会的なのに、やってることは極めて原始的。 そういった意味では、アフリカ辺りのジャングルと大差ない。 歌舞伎町というのは、ご存知の通り新宿の歓楽街ですが、その範囲は、...

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